トニー・レオン、チャン・チェンが語る『レッドクリフ』の見どころ

壮大な序章『レッドクリフPartI』から半年、ついに歴史的大戦“赤壁の戦い”の時を迎えた『レッドクリフ』。完結編となる『レッドクリフPartII―未来への最終決戦―』の公開を目前に控え、チーム・レッドクリフの面々が再び日本へ集結したのは、ひとえに大将、ジョン・ウーのためである。主人公・周瑜を演じたトニー・レオンは『PartI』がアジア映画史上最高の興収記録を打ち立てた要因についてこう語る。大阪 マッサージ
　「ジョン・ウー監督がハリウッドから16年ぶりにアジアに戻って撮った本作には、香港、台湾、中国の優秀な役者、スタッフ全員が参加しました。私自身も本作への参加を、監督の20年来の夢を実現させるための“任務”だととらえていました。撮影に入る前には“この任務は不可能だ。完成は難しい”という危惧感もありましたが、みんなで努力した結果、映画を無事に完成させることができました。今回のヒットは、チームワークとそれぞれの努力がもたらした結果だと思います」

周瑜に支えられ、今回大きな成長を遂げる若き君主・孫権を演じたチャン・チェンは、本作への参加が俳優人生において大きな財産となったと熱く語る。
　「アジアの人たちにとってはよく知られた『三国志』の魅力を、欧米の観客にもわかりやすく伝えるために、監督のハリウッドでの豊富な経験が生かされた作品になったと思います。あまり字幕に慣れていない観客に、登場人物たちの複雑な人間関係をいかにカメラワークで見せていくか？　そこが監督にとって、本作におけるいちばんのチャレンジだったのではないでしょうか。本作のスケール感はとにかく圧倒的で、おのずと集中力が高まるような現場となりました」

　『レッドクリフ』と同時期に中国映画界では、『戦場のレクイエム』、『エンプレス―運命の戦い―』（４月４日公開）、『ウォーロード　男たちの誓い』（５月８日公開）など、歴史スペクタル超大作が競うように製作されていた。時代劇の魅力について、チャン・チェンは分析する。
　「不景気な時代こそ人は、変わらないもの、すなわち人間と人間の絆を必要とするのかもしれません。日常生活から離れた時代劇という世界でならば、私たちは普段の生活を忘れ、その世界に入り込むことができる。そこでは、時代が変わっても変わらないものが、非常に純粋でストレートな形で観客の心に響き、より深い感動を味わってもらうことができると思います」

　本作を中国映画でもハリウッド映画でもなく、“世界映画”だというジョン・ウー監督のメッセージを、トニー・レオンは代弁する。
　「80万人もの大軍勢で圧倒的な力を持つ曹操軍に、わずか５万の連合軍が勝利するという赤壁の戦いを描いた本作には、希望を持つこと、諦めないことが大事という前向きなメッセージが込められています。赤壁の戦いを通して、簡単に諦めないことで、世の中のすべては可能になるのだということを（監督は）伝えたいのだと思います」

　本作では、映画オリジナルとして周瑜の妻・小喬、孫権の妹・尚香という女たちの男勝りな活躍が描かれている点も、ジョン・ウー映画的に興味深い。
　「水のように優しい小喬、さっぱりと率直で素直な尚香、２人とも魅力的な女性です。この２人の女性から、監督はおそらく男にしかできないことなどないのだということを実感してもらいたかったのではないでしょうか」（トニー・レオン）
　「２人とも、現代的な感覚を持っている女性ですよね。自分の考えをきちんと持ち、なおかつ勇敢さと寛大さを備えている。自分の魅力を知り、発揮できている女性はいつの時代でも魅力的だと思います」（チャン・チェン）

　本作で監督が最も重要視していた「登場人物全員が重要な駒とした上での団体戦（チームワーク）の醍醐味」は、役者の心にもしっかりとしみこんでいる！　最後は『PartII』の見どころで締めていただこう。
　「曹操という大きな敵に向かっていく孫権の姿を通して、今まで怖くてできなかったことに真正面から挑戦する勇気を感じていただければと思います」（チャン・チェン）
　「世の中には希望が、人間と人間の間には信頼があるのだというメッセージを受け止めていただきたい。人間関係でいちばん大切なのは信頼です。しかし信頼とは簡単に生まれるものではなく、いろいろな困難を共に乗り越えて、築き上げていくもの。信念と勇気さえあれば、世の中は明るくなると観客のみなさんひとりひとりに感じていただけるとうれしいです」（トニー・レオン）

　信頼とは築き上げていくもの……その言葉には、重みがある。

　東宝東和、エイベックス・エンタテインメントの配給で、４月10日（金）からTOHOシネマズ日劇ほかにて公開開始。

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